2026年2月4日
ロッキード事件から50年
1976年2月5日 ロッキード事件の第1報を朝刊でスクープ
田中角栄前首相逮捕など大汚職事件に発展
これは朝日新聞社のHPにある社史の一部である。
その記事は、朝刊2面に、5段見出しで掲載された。これがロッキード事件の一報である。【ワシントン四日=アメリカ総局】のクレジットで、全文26行。当時1段15字の時代だから全部で390字足らずである。
《米上院の多国籍企業小委員会(チャーチ委員長、民主党)は四日の公聴会で米ロッキード航空会社が多額の違法な政治献金を日本、イタリア、トルコ、フランスなどに行っていたことを公表した》
児玉誉士夫には708万5千㌦(約21億円)とある。
毎日新聞の外信部にもこの情報は入っていた。『毎日新聞ロッキード取材全行動』(講談社77年2月刊)の書き出しに詳報されている。社会部の朝刊担当デスク原田三朗(2017年没82歳)が外信部デスクからUPIのテレックスを見せられたのは、朝刊最終版の締め切りが 過ぎてからだ。「こりゃ、一面トップじゃないか」
翌5日朝刊で報じたのは、朝日新聞一紙だけだったが、夕刊は各紙とも1面と社会面で扱った。以下は毎日新聞5日夕刊1面である。

「この事件取材は『大統領の陰謀』日本版になる可能性がある」
社会部のロ事件取材班キャップとなる63年入社澁澤重和は予言している。ウォーターゲート事件を追いかけた米ワシントン・ポスト紙のカール・バーンスタイン、ボブ・ウッドワード両記者のドキュメントが『大統領の陰謀—ニクソンを追いつめた300日』(立風書房1974年刊)として出版されていた。
『毎日新聞ロッキード取材全行動』出版は、澁澤が提案し、ロ事件に関わった社会部記者が綴った素材を、62年入社瀬下恵介(2021年没82歳)がアンカーとなってまとめた。
ロ事件50年を迎えられずに口惜しがっているのは、当時の司法記者高尾義彦(2024年11月急逝、79歳)ではないだろうか。田中角栄元首相が逮捕された1976年7月27日朝刊1面で「検察、重大決意へ」の原稿を書いた。当然、この毎友会HPにも原稿を寄せてくれたと思う。残念でならない。
=敬称略(堤 哲)