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2026年1月26日

モロさんを偲んでベースボーロジー宣言の朗読

 59年入社諸岡達一さん(昨年10月29日逝去、89歳)が創設した「野球文化學會」第9回研究大会が25日、法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎で開かれた。

 午前10時から会員6人が一般研究発表をしたあと、午後からシンポジウム「長嶋茂雄がくれたもの……——野球時代の申し子の記憶と記録」を行った。

 鈴村裕輔会長(名城大学教授)は挨拶で、この学会の創設者であり、初代代表幹事を務めた諸岡顧問が急逝されたことを悼んだ。「1999年に本学会を設立し、野球文化研究の振興に尽力。学術誌『ベースボーロジー』を通して野球研究そのものの裾野を広げることに取り組まれた」と偲び、モロさんが策定した基本理念「ベースボーロジー宣言」を読み上げた。

2006年春発行の『ベースボーロジー』第7号を紹介する諸岡達一さん(野球文化學會総会2006年4月19日)

ベースボーロジー宣言

野球を「歓喜の学問」にする。

野球は人類にとっての重要な資産である。豊饒なる野球文化の土壌をさらに耕したいと思う気持ちそのものが「野球文化學會」である。

野球を通して人の本質を知り、哲学を学び、思想を育み、喜びを創生する。

野球は人の生き方であり、人のモノの見方であり、人の技術の粋であり、人の歴史と記録であり、人の政治と経済であり、人の権利と義務であり、文化人類学であり、科学である。

学ぶに不足なし。論ずるに不足なし。

語るに不足なし。研究するに不足なし。

分析するに不足なし。愛するに不足のあろうはずがない。

野球に包含されているすべての部品は複雑系の極地を行く。奥の深さは底なしの沼。

その多岐多彩さは、現存するあらゆる「学会」をも凌駕する、と大見得を切っても、野球が舞台から落ちることはない。

野球を学問にすることは「野球の尊敬」に対する人類の礼儀である。

池井慶大名誉教授(右)と鈴村会長

 鈴村会長の挨拶の後、学会賞が4人に授与された。諸岡さんが学会設立の準備会から参加をお願いした、現在學會顧問の慶應義塾大学池井優名誉教授は活動部門で表彰された。

 池井先生は「きょう25日は、私の91歳の誕生日。何よりの誕生祝いとなりました」と喜びを語った。

 シンポジウムでは、明石要一千葉大名誉教授が「ナガシマの生き方、ノムラの生き方~教えられること、教えられないこと」、フリーライターの広尾晃さんが「長嶋茂雄賞について考察する」、野球文化學會の鈴村会長が「『ミスタープロ野球』はなぜ長嶋茂雄でなければならなかったのか——世相との関わりを中心に」をそれぞれ講演した。

 毎日新聞OBでは、69年入社松崎仁紀さんと64年入社の私(堤)が参加した。

(堤  哲)