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2025年8月27日

複写は中村真一郎さんが担当、戦中写真アーカイブ

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校條諭さんの写真は、毎友会HP(https://maiyukai.com/essay/20230905.php )から

 校條諭さん(めんじょうさとし、メディア研究者)が横浜・ニュースパーク(日本新聞博物館)で開催中の「報道写真を読む」展https://newspark.jp/exhibition/ex000400.html で、8月24日(日)のギャラリートークの模様をFacebookで報告している。

 校條さんといえば、65入社佐々木宏人さん(2024年11月没83歳)「ある新聞記者の歩み」のインタビュアーで、この毎友会HPでも延々紹介した。

 《終戦直後、多くの新聞社では戦中の写真を償却してしまったのに対して、多数残されているのが毎日新聞社と朝日新聞社(いずれも大阪本社)で、しかも、当局による検閲で不許可になった写真が保存されているのは毎日のみだとのことです。

 毎日新聞社では、2021年から約6万枚の写真のアーカイブ化に乗り出しました。残っていたネガ1枚1枚を最新のデジカメで写し取っていったそうです。

 複写は、毎日新聞のカメラマン中村真一郎さん(84入社)が気の遠くなる作業を担当。会場で苦労話を伺いました。最新のカメラはネガから自動的に白黒反転して取り込めるそうです。プリントが貼り付けられ撮影メモが付記された台帳現物が、ネガとともに会場に展示されていました。

 アーカイブ化は同社の中島みゆきさん(89入社)が中心になって各方面の協力者を組織してプロジェクト化しました。研究者として、主に渡邉英徳東大教授(情報デザイン)や貴志俊彦京大教授(現・ノートルダム清心女子大教授、アジア史など)が参画しています。社としては「毎日戦中写真アーカイブ委員会」(委員長・末次省三取締役)という名称で産学連携プロジェクトとして位置付けています。

 ネットに50回を越える連載「戦中写真を読む」があり、無料で読めます。

 https://mainichi.jp/senchu/

 新聞社の経営は厳しさを増していますが、公共的な資産としてぜひ維持していってほしいものです。その際、会場で貴志先生が言われたように、今後は若い人と連携していったり、AIを活用して見てもらう工夫をするなどの新しい発想が期待されます》

(堤  哲)