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2025年5月15日

お隣丸紅で「美しきシモネッタ」鑑賞しませんか、24日まで

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 パレスサイドビルのお隣、丸紅㈱本社3階の丸紅ギャラリーで、ボッティチェリの「美しきシモネッタ」が特別公開されている。24日まで。日曜休館。入館料500円。

 丸紅は1969(昭和44)年10月に購入したが、1938年にイタリア・ベンツーリが出版した「ボッティチェリ」所蔵の図版と細かい点で違いがあり、真贋論争が起きた。

 レントゲン撮影などの調査で真作と判明したが、1億5千万円で購入を予定していた美術館が断念したことから丸紅がずっと所有している。

 「いまこの絵は丸紅の社宝として同社社長応接室の壁間にひっそりと“優雅のたたずまい”を示し、同室を訪れたものの目をたのしませてくれている」

 47年入社の口八丁手八丁の経済部記者・稲田正義さんがこの絵が応接室に掛けられていたことを証言している(『宝在心』二見書房1980年刊)。

 今回は、東京国立近代美術館が開催している「美術館の春まつり」と連携して特別公開した。日本で唯一のSandro Botticelli(1444/1445~1510)の作品である。

 モデルの美女はシモネッタ・ヴェスビッチ(1453~1476)。23歳で夭折している。

 写真は、会場入口にあった説明パネルである。1969年丸紅アートギャラリー開設、「ヨーロッパ巨匠名画展」開催とあり、右下の写真は、その名画展に訪れた英国のマーガレット王女である。

 丸紅がいい会社だな、と思うのは、その右下「1976(昭和51)年ロッキード事件」と書いていることである。

 社長、会長、専務らが逮捕され、「ピーナッツ」が流行語となった。

 ロッキード取材班の丸紅担当は、63入社堀一郎さん(2019年没78歳)だった。丸紅の広報部とは、懇親会を開いたこともあり、今でも広報部OBとつながりがある。

 「美しきシモネッタ」展も、その関係の人から聞かされ、あわてて訪ねたのである。

(堤  哲)