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2022年10月11日

東京駅ステーションギャラリーで「鉄道と美術の150年」展

 毎日新聞創刊150年、鉄道開業150年のことし、「美術」という言葉が初めて使われて150年だというのだ。

 東京駅の丸の内北口にある東京ステーションギャラリーで開催中の「鉄道と美術の150年」展(2023年1月9日まで)。冨田章館長が図録の巻頭「鉄道は美術を触発し、美術は鉄道を挑発する」で解説している。

 10月14日の「鉄道の日」に合わせたが、5年前から企画・作品の収集にとりかかったという。リキが入っている。充実した展覧会である。

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 以下は鉄道開業を伝える毎日新聞の前身「東京日日新聞」である。トップ記事ではあるが、見出しもない。

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東京日日新聞1872(明治5)年9月13日付

 《日本初の鉄道が開業したのは1872(明治5)年10月14日(旧暦9月12日)。東京・新橋と外国船が停泊する商業都市・横浜を結んだ。この間に品川、川崎、鶴見、神奈川の4駅を設け、110形蒸気機関車が29キロを53分で、1日9往復していた。

 運賃は上等1円12銭5厘、中等75銭、下等37銭5厘。米1升がわずか4、5銭の時代、庶民が気軽に利用できる値段ではなかった。

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 紙面は、鉄道開業日を伝え「前日迄ハ暴雨ナリシガ当日ハ麗シキ天気トナリ……」とある。当初11日(同9日)に予定されていたが延期されたという。

 かつて国鉄の「鉄道記念日」だった10月14日は1994年から「鉄道の日」となり、2022年は開通から150年の節目を迎える》=10月4日毎日新聞夕刊

 150点ほどの展示された作品に、山下清画の駅弁の包み紙=写真・右=があった。

 我孫子駅で弁当を販売していた弥生軒の社長が1960年、山下清に原画を依頼した。1983年ごろまで使われていたという。

(堤  哲)