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2022年8月12日

大谷号外で思い出す46年前のロッキード事件号外

 米大リーグエンゼルスの大谷翔平(28歳)がベーブ・ルース以来104年ぶりとなる、投手として2ケタ勝利、打者として2ケタ本塁打を達成した8月10日午後、新聞の号外が街で配られた。大谷の地元「岩手日報」は、2連版印刷の大型紙面。フルカラーで4ページ分だ。

 朝日、読売は1面に広告が入っている。46年前のロッキード事件で、毎日新聞は「田中角栄逮捕」の号外に広告を入れた。

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 当時の社会部長牧内節男さん(96歳)に大谷号外をメールで送ったところ——。

 「朝日新聞は毎日新聞のマネをしましたね。ロッキード事件の毎日新聞のことを覚えていた人がいたのですね」

 「すべて牧内節男の発想です。自慢ではありません、事実です。高官逮捕時は広告つきの号外を出すことを決め実行したのです。予め準備するのですから一般広告は掲載できません。だから書籍広告なのです」と返信があった。

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 以下、その証拠紙面である。

 右が1976(昭和51)年7月27日(火)田中角栄逮捕の号外。下3段は、書籍広告の4つ割りだ。「東京90秒ユーモア」は、毎日新聞夕刊連載のミニコラム「赤でんわ」の特選集。サツ回りの担当で、長年の連載を1冊にまとめたものだ。

 高官逮捕第2弾の時(8月20日)の号外広告は、1面が『児玉番日記』と『日本を震撼させた200日』。「他紙を圧倒の毎日記者が暴く舞台裏!! 大胆、細心のロッキード報道」とうたった毎日新聞出版局の広告だ。

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 裏面は山崎豊子著『不毛地帯』(新潮社)だった。

 タテに凸版で「ロッキード報道は毎日新聞で」とうたっている。「ロッキードの毎日」は元気だった。

(堤  哲)