2022年7月20日
野球の「聖地・名所150選」に、なんと「毎日新聞跡」
日本野球機構(NPB)、全日本野球協会、野球殿堂博物館は19日、野球伝来150年を記念して日本全国の野球にまつわる「聖地・名所150選」を発表した。
2022年は、野球が日本に伝わって150年を迎えることから企画されたもので、プロ野球の本拠地となっている球場や北海道・旭川市のスタルヒン球場、大阪・豊中市の高校野球発祥の地記念公園など150か所が認定された。
そのひとつに、「毎日新聞跡」があった。選定理由に、こうある。
《実業団、クラブチームの大会は大正時代から活発に行われ、1920年には第1回全国実業団大会が開催。1927年からは都市対抗野球大会がスタートした。戦後も1946年8月に第17回大会としていち早く復活したが、当時は各地区の実業団の団体はあったものの、全
国の統括的な組織がなく、国際的な行事を開催するためにも全社会人を一本化して活動できる体制づくりが急務といわれていた。1949年2月、毎日新聞東京本社8階のレストラン(セント・ポール)で「日本社会人野球協会(日本野球連盟の前身)」の第1回設立総会を開催。初代会長には宮原清氏が推された。毎日新聞は1966年に竹橋に移転、有楽町の社屋跡地には「新有楽町ビルヂング」が建つ》
そしてこの写真を添えている。

いつの写真なのか。有楽町の毎日新聞本社ビルが8階建てで、その最上階にレストラン「セント・ポール」があったなんて全く知らない。
関西では、毎日新聞の前身大阪毎日新聞社(大毎)が、野球に力を入れた。1910(明治43)年秋、来日中の米シカゴ大学と早稲田大学(飛田穂州キャプテン)を関西に呼んだ。費用は全額大毎負担だった。
当時阪神間には野球の試合を行うグラウンドがなかった。そこで阪神電鉄に頼んで、その3年前1907年に開園した香櫨園遊園地(現在の阪急電鉄夙川駅付近)内に野球場をつくって、3日間で3試合を行った。
大毎は、早稲田大学のヒゲの応援団長吉岡信敬を呼ぶなど、関西初の国際野球試合を大宣伝。阪神電鉄は両軍選手の送迎を花電車で行った。入場料は無料。各地の中学校の野球部に団体で観戦を呼び掛けるなどで、「観客は3万人余」と紙面にある。
「野球場を造れば乗客増につながる」。箕面有馬電気鉄道(現阪急電鉄)の豊中球場、阪神電鉄の鳴尾球場、さらには1924(大正13)年の甲子園球場の建設につながった。
豊中、鳴尾、甲子園の各球場は、「聖地・名所150選」に入っているが、香櫨園遊園地は見当たらない。
(堤 哲)