2022年3月11日
俺は俺! 「ゆうLUCKペン」44集刊行 情趣たっぷり……いま流スマホ談義

人間は生を得た時いのちを与えられます。同時に体と心も与えられます。いのち・体・心の3つは生まれながら備わっているためか、その不思議さや巧妙さを改めて考えることは少ない。
それが「ゆうLUCKペン」44集を読んでいるうちに「いのち・体・こころ」の巧妙さを身を以て感じたのです。老齢になっての人間革命のような思いでありました。
「ゆうLUCKペン」とは毎日新聞社OB連が刊行を続けている文集です。44集ということは、44年前から出ているんです。バックナンバーは情報調査部に揃っております。定年後も「書きたい心が疼く」んだねえ。耄碌しませんよ「ゆうLUCKペン」に書いている人は……?
とはいえ、かく言う私も「ゆうLUCKペン」に係わって30年以上になり、以前書いた原稿と今書いた原稿と、本文で書いた原稿と、近況報告で書いた原稿と、編集後記で書いた原稿と、社報に書いた原稿と、あれもこれも、何と書いたか忘れているので、同じことを何度も書いていて「耄碌×3」だよ、もう。(だから、どこかで読んだであろう、本日の文章も、)
「ゆうLUCKペン」44集に集まったみなさんの原稿……元新聞記者の文章を……編集部は丹念に全部読みました。みなさんの原稿、それは、それは、1つ、1つ、感慨に耽って胸に沁みましたよ。みなさん、ほんとにまあ、きちっと原稿を書きます。しかも情趣に満ちている、興宴のごとく、深夜まで読んでも飽きない、楽しい、オモシロイ。「いのち」「体」「心」の仕組みを感じた次第です。
それが過去(昔)現在(いま)未来(あした)と混在して、なにやら昔の編輯局で原稿を書いている記者の姿景色が「いま」思い浮かび、「いま」読んだ原稿が、あのとき書かれた原稿かしら? 幻覚のように仮想空間が脳内を走ります。「昔」「いま」「あした」が明確に区別できず、「いのち」「体」「こころ」の不思議がさらに増したのかも知れません。
「ゆうLUCKペン」44集、テーマは「俺とスマホ・俺のスマホ」。愉快な持論スマホ論が展開されました。怪しいSMSが来て好奇心からロマンス詐欺に遭いそうになった噺やら、「便利こそが是ならず」と唱えるスマホ論、気に食わないスマホの4悪、ガラケーで文句あっか、97歳のスマホ事始め、アプリアプリと騒ぐなアプリ……などなど、身につまされるスマホ時代のスマホ談義は「読ませます」。まあ、ほんとにまあ、スマホは馬鹿だなあ! つくづく感じますね。そもコンピューターがアホだからなあ、銀行のATM故障でも列車の運休でも、超専門家が来て点検しても原因不明なのだから……。
スマホに関係なく、自分流独自の自由主義を貫いて投稿してきた同人会員も多々おりまして「ゆうLUCKペン」44集も、いつものように賑やかな「俺は俺」文集になっています。
元新聞記者のみなさん、以前にも増して「溌剌と」「何物も寄せ付けない」「俺は俺」になっているのであります。そう、コンニチ・今・現下のウイルス世情に於いては「俺は俺」です。昔の編輯局と同じ心。ひとつ言えばパソコン入力で記事を書く時代になったこと……ザラ紙に鉛筆で書いた「記事」、パソコンで書いた「e記事」……みなさんの原稿を読むにつけ、鉛筆の味わい風趣が残っているんです。言葉遣いに編輯局ってえ風が「そよ」と吹いているんです。だからゆうLUCKペンは長続きしているんです。それが、とっても嬉しい。いま流「e文学」はオモシロくねえもん。コンピューターは知らねえんだよ……上等の日本語表現を。
ま、どうでもいいんである。あとは、ゆうゆうとして、後期高齢者は「美味しいもん」食って、健康も「俺は俺」です。でもねエ、日本は「食い物がなくなるヨ」。スーパー行けばたっぷり食品がある、なんて、昔噺となりますぞ。野菜なんぞは「種子」を95%も輸入しているんだし、野菜の自給率は数%であります。「何とかなるサ」と高をくくっているとカネ出しても他国に買い負けて、肉、魚、穀物、乳製品も入ってこない。コロナウイルス以上の世界異変(戦争)も起こりうる、若い世代は核武装希望だとか……こわい世の中が待っています。俺は俺、まもなく防空壕(墓)に入るからいいけどね。
そんなワケで「ゆうLUCKペン」44集も、2年連続で発刊記念パーティは公的には「ナシ」となりました。ただし、ウイルスに感染してもモンダイない、軽傷だ、無症状だ、と考えている「やんちゃ老年」たちが、蔓延防止条例だか緊急事態宣言だか医療危機だか経済優先だか……社会をあやつる報道なんぞ知らんとばかりに、「勝手に開催する」ハラ積もりのようです(詳細は不明)。そのうち「集まりました」にレポートが掲載されるでしょう。
いのち・体・心・昔・いま・あした……ごっちゃになって気分が乱れたのはスマホのおかげか、どうやら人間の脳はデジタル社会に適応していない。どもども。
(諸岡 達一)
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ゆうLUCK ペン 第44集 目次
伊丹十三のスマホ/滑稽と悲惨にのみ有るデス | 永杉徹夫(82歳) | |
たとえば、開けゴマ!/便利は「是ならず」/“滑り坂”へ向かうのは心か脳か | 大住広人(84歳) | |
国際ロマンス詐欺に遭う/SNSアヤシイ好奇心 | 野島孝一(80歳) | |
ガラケーで文句あっか! | 半田一麿(86歳) | |
私のスマホ談義/気に入らんっコト4つ | 福島清彦(77歳) | |
つれずれなるがままに/秋深しスマホ手にして眺めおり | 牧内節男(96歳) | |
俺はスマホ一年生/97歳の事始め…どんどん彩なす | 山埜井乙彦(97歳) | |
<量子論の黎明期>恋文横丁から核エネルギーへ/「タラコ」の外側は〝非存在〟 | 松尾康二(84歳) | |
哲学・モーツァルト・哲学/新米プロデューサー奮闘記 | 茂木和行(76歳) | |
〝惑星人との交信〟第1号! 先ず…お伺いしたいコトは/「気候危機をどう克服しましたか」? | 横山裕道(77歳) | |
ドンクサ世代の「夜回り」秘話/老刑事が最後に明かした話 | 今吉賢一郎(84歳) | |
旭堂鱗林の「追っかけ」 | 渡辺直喜(74歳) | |
気候危機…人類の未来は?/科学の進歩で乗り切れるか/人間の虚栄心こそが、ね | 本田克夫(95歳) | |
若き日の不思議な「神武さん」/半世紀を経て恩師の前半生を知る | 松上文彦(76歳) | |
馬鹿な私の1千5百万円 | 岩崎鴻一(85歳) | |
MLB……もう一人の「二刀流スーパースター」 | 松﨑仁紀(75歳) | |
アゲハ飼育から分かったこと | 神倉 力(85歳) | |
軍縮ジャーナリスト新渡戸稲造と毎日新聞/「何かあると…滑稽に見えていけない」 | 堤 哲(80歳) | |
アプリアプリと騒ぐなアプリ/「アプレゲール」の方が勝ち!/スマホのアプリは頭悪りいョ | 諸岡達一(85歳) | |
「来春も杖つき五歩行の身となりて」 | 中谷範行(81歳) |
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ぜひ!是非!ぜひ! 手に取って読んでください。1冊千円でお分けします。
申し込みは、事務局長中谷範行スマホ 080-1027-9340まで。送料は会負担で無料です。
ちなみに執筆者20人の平均年齢は82.95歳。第45集も発刊します。原稿〆切りは11月半ばです。「オレ書くよ!」って、中谷スマホに連絡下さい。テーマなどをお知らせします。