2020年12月25日
コロナの今年も、元写真部、山田茂雄さんがプライベートカレンダー31作目

カレンダー いつもの写真 届かずに
河彦の名前で日々、つぶやいているツィッター俳句にこの一句をオンした12月23日、元写真部の山田茂雄さん(73)から、恒例の2021年プライベートカレンダーが届いた。毎年、海外で撮影した写真をあしらっているので、今年は海外旅行が出来なかったと推測、断念したかと早とちりしたが、これで31回目という永年の積み重ねに、感動した。

山田さんのカレンダー作りは、東京ヘレンケラー協会の調査で1987年にネパールに同行取材、翌年にはあき子夫人がやはりネパールを訪れたことをきっかけに、「日本とは別の時間が流れているネパールの人々の生活を1年間、楽しんでもらおう」と発想、その後、1996年を除き、毎年、作品を作ってきた。当初はポストカードにプリントしていたが、少部数でプライベートカレンダーを印刷出来る印刷所を見つけ、卓上カレンダーとして年賀状替わりに400部ほどを友人、知人に送っているという。
これまで訪問した国を挙げてもらうと、36カ国・地域にのぼる(カッコ内は回数)。アジアでは、韓国(2)、中国(広州1)、香港(4)、マカオ(2)、タイ(3)、マレイシア(2)、シンガポール(3)、ネパール(1)、インドネシア(1)、台湾(4)。オセアニアでは、オーストラリア(1)。アフリカ・中東では、マダガスカル(1)、ケニア(3)、エジプト(1)、ヨルダン(1)、トルコ(2)。ヨーロッパは、イタリア(6)、サンマリーノ(1)、オランダ(5)、ベルギー(4)、フランス(2)、スイス(1)、ドイツ(1)、英国(3)、スペイン(2)、ポルトガル(1)、マルタ(1)、ノルウエー(1)、スエーデン(1)、デンマーク(2)、オーストリア(1)、ハンガリー(1)、ロシア(1)、ギリシャ(1)。南北アメリカは、米国(8)、チリ(1)、アルゼンチン(1)となっている。
ちなみに21年版カレンダーは、1-2月=スペイン・ビルバオ(2016年撮影)、3-4月=トルコ・イスタンブール(2009年撮影)、5-6月=オランダ・アムステルダム(2011年)、7-8月=スペイン・サン・セバスティアン(2016年撮影)、9-10月=トルコ・イスタンブール(2009年撮影)、11-12月=台湾・台北(2009年撮影)。美術館のそばや避暑地のホテル、自転車のサイクルツアーグループ、ボスポラス海峡を行く乗合船などが目を楽しませてくれる。

1971年入社の山田さんは、大阪・東京両本社の写真部に在籍。1995年に退社した後も、フリーのカメラマンとして仕事を続け、毎日新聞主催のイベントなども手掛けてきた。夫人とともに、仕事以外でも海外への旅を楽しむ機会が多く、その成果が毎年のカレンダーに反映された。
最も興味を引かれたのは、オランダで、人口約1700万人(東京は約1400万人)、九州とほぼ同じ面積で国家が成り立っていて、山田さんは「人口減少が続く中、日本も大国主義を捨て、中規模の国になるためにはオランダには何かヒントがあるのでは」と語る。
実は、山田さんとはニューヨークの国連本部で1982年に開かれた第2回国連軍縮特別総会(SSDⅡ)の際、反核市民運動などを現地で10日間ほど一緒に取材した。海外での取材の縁で、海外の景色をテーマにしたカレンダーをいただくことになり、来年はもっといい年に、と願うばかりだ。
(高尾 義彦)