2020年7月13日
ベスグロ高市さんは、美術展のプロ
大阪毎友会のHPで、昨年東京本社事業本部の美術事業部長で退職した高市純行さん(55歳)の名前をみつけた。
7月9日、宝塚クラシックGCで開かれた第161回毎日旧友会ゴルフコンペでベスグロに輝いたのである。グロス88、ネット72.3で第3位、と記事にあった。
高市さんは1988年大阪入社で、もっぱら事業部の美術担当として、大阪・東京両本社で文化事業を展開してきた。神戸大大学院修了→大阪市立大大学院創造都市研究科博士課程単位取得満期退学。むろん学芸員の資格を取得している。
私が最も印象に残っているのは、2000年4月に大阪市立美術館で展観した「フェルメールとその時代展」だ。入場者は59万人を記録した。
目玉の作品は「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」(オランダ・ハーグ・マウリッツハイス美術館所蔵)。


この1点だけでも人気の展覧会になるのは間違いないのに、毎日新聞の特集の見出しは「春 5/35に出合う幸福」。
「天秤を持つ女」(米ワシントン・ナショナルギャラリー)
「地理学者」(独フランクフルト・シュテーデル美術研究所)
「リュートを調弦する女」(米ニューヨーク・メトロポリタン美術館)
「聖プラクセディス」(米プリンストン・バーバラ・ピアセッカコレクション)
寡作なフェルメールの、当時確認されていた35点のうち5点を集めたのである。
高市さんの仕事はこれだけではない。2017年秋、開館120周年を迎えた京都国立博物館で開催した「国宝展」。国宝指定の美術工芸品885件のうち210件を、4期に分けて展観した。会期48日間の入場者は、62万人を超えた。京都国博の入場者記録をつくった。
他に「雪舟展」「円山応挙展」「祈りの道―吉野・熊野・高野の名宝」「狩野永徳展」
「長谷川等伯展」「歌川国芳展」「横山大観展」など。どれも話題を呼んだ美術展である。
ところで高市さんがこんなにゴルフがうまいとは知らなかった。性格はシャイで、おとなしい。京都をはじめ、日本の美術界での信用はバツグンなのであろう。
退職後、企画会社を立ち上げた。ビッグな美術展を仕込んで「主催:毎日新聞社」で展開してもらいたいと思う。
(堤 哲)