元気で〜す

2020年1月14日

新聞の切り抜きを今も続ける、今年91歳になるOB

 社会部OBの野村勝美さんは、ことし6月1日に91歳の誕生日を迎える。

 ネットマガジン「知の木々舎」に1か月2回「浜田山通信」を連載している。№257は「観測史上最高の温暖化」で、16歳のグレタさんと、トランプ米大統領のやりとりを書いているが、その中に「新聞の切り抜きを今も続けている」と書いている。

 スズメ100まで踊り忘れずか。エライ先輩である。

 https://chinokigi.blog.ss-blog.jp/2019-12-27-5

 —―新年早々もうしわけないが、「人々は苦しみ、死にかけ、生態系全体が崩壊しかけている、私たちは絶滅にさしかかっているのに、あなたたちが話すのは金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ」、スペイン・マドリードで開催されたCOP25(国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議)でのグレタ・トウーンベリさん(16)の演説が頭から離れない。私は新聞記者時代からの習慣で新聞切り抜きをいまも続けているが、グレタ演説のあとは、気候変動関連の記事しかスクラップしなくなった。

 米誌「タイム」」が恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」を選ぶと、トランプ米大統領はツィッターで(この人はメデイアとの記者会見を一切やらず、一方的にツィッターで政策から批判、中傷まで発表する。フォロワーが何千万もいるそうだ)「とてもバカバカしい。落ち着けグレタ。落ち着けっ」とやゆし、「怒りの制御に取り組んで友だちと古き良き映画を見に行った方がいい」とも書き込んだ。

 これを受けてグレタさんは「今は落ち着いて友だちと古き良き映画を見ています」とツイッターに書き込んだそうだ。どちらが大人なのか。

 金儲け一本でやってきて、アメリカ・ファースト、グレート・アゲイン一本鎗でやってきた米大統領は、ほんとうは無視したかったのだろうが、世界中のとくに若い人たちに火がついてしまったので放っておくわけにもいかず、つい「映画でも」とツイートしてしまったのだろう。

 もう一人、温暖化の旗振り役ブラジルのボルソナロ大統領は「グレタだっけ、先住民がアマゾンを守っていたから殺されたとか言っていたな。あんなガキにマスコミがスペースを割くなんて驚きだ」とまくしたてたそうだ。ガキはポルトガル語で「ピラリア」といい、グレタさんは「私はピラリアです」と返事した。若いからこそ温暖化をくいとめなければ、私たちの未来はないというのだ。

 アマゾンの熱帯雨林は酸素を作り出すが、ブラジルは開発して農地にしたり、工場を作りたい。温室効果ガスの大量発生はまぬがれず気温上昇は惨憺たるものになる。アマゾンの大規模な山火事は、政府側が火をつけたとの報道もあるが、とんでもないことだ。山林火災はアメリカでも西海岸でひどく、カリフォルニアでは高級住宅地も脅かす。昨年はオーストラリアで大規模な森林火災によりユーカリの森も焼け、コアラが犠牲になった。フランスは最高気温47,1度。日本でも41,1度の、観測史上最高温度を記録した。

 もっとも世界の人口は、18世紀には10憶人にも満たなかったのが、2世紀の間に70憶人に達した。人間がこれだけ増えると温室効果ガスも当然増える。人間が増えたのは、産業革命以来、経済が成長し、暮らし向きが良くなったからだろう。

 日本は、昨年は観測史上一番高温だったそうだ。それでも私は夏も冬もエアコンつけっ放し。日本国がCOP25で二回目の「化石賞」をもらったからと言って文句をつける資格はない。

(堤  哲)