元気で〜す

2018年1月9日

88歳のジャーナリスト・野村勝美

 正月にネットを検索していて、社会部の先輩の文章を見つけた。

 〈明けましておめでとうございます。と書きながら何がおめでとうだという気分が、来年には90歳になる老生にはある。もう5、6年、もっとになるか年賀状は出さないし、正月料理も食べない。お雑煮は入歯がはずれ、のどに詰まるおそれがあるので小さな餅を一コか二コ用心しながら口にする〉

 野村勝美さん(88歳)である。「サンデー毎日」デスクから「毎日ライフ」編集長。繰上定年後、おもちゃ店経営とプロフィールにあった。ニッパチ(昭和28)入社。「司法記者として初陣の造船疑獄取材に頭角を現す。多角的な視野に立つ記事で多くの読者の感動を呼び起こした」とも。

 毎友会には必ず顔を見せる律義な先輩である。

 引用したのは、ことし1月1日付けの「浜田山通信」No208。見出しは「♯Me Too」。

 〈ことしはまちがいなく女性ファーストの年になると確信する。去年アメリカやヨーロッパで始まった♯Me Too運動はアジアでも、日本でも起こるはずだ。日本でジャーナリストの伊藤詩織さんが立上った〉

 〈私の一番信頼する評論家斎藤美奈子さんによると、昨年のアメリカでもっとも検索件数が多かったのは「フェミニズム」だったそうだ。トランプに対する「ウイメンズ・マーチ」などもフェミニズムがアメリカの昨年の言葉になった原因だ〉

 そして最後は〈日本の男女平等度は世界で百十四番目。…女も男もみんなフェミニストになろう〉と結んでいる。

 野村さん自身は、大変なフェミニストである。同僚女性記者の増田れい子さん(2012年没、83歳)や、「広島第2県女2年西組 原爆で死んだ級友たち」の関千枝子さんらと親交があった。

 いつまでもお元気で、健筆を期待したい。

(堤 哲)