元気で〜す

2017年8月9日

『やすらぎの郷』と『返さなくてよい奨学金』

 テレビドラマ「やすらぎの郷」が評判になっているが、毎日新聞OBの大久保貞義さん(82歳)は、介護付有料老人ホーム「ロイヤルハウス石岡」(茨城県石岡市)と「ロイヤル川口」(埼玉県川口市)を経営する。

 東大を卒業して1959(昭和34)年に毎日新聞に入社、政治部記者となったが、その時の政治部長・小林幸三郎さん(元RKB毎日会長、2014年7月没102歳)は、ここで最期を迎えた。現在は論説OBがお世話になっている。

 大久保さんは、在社中に米スタンフォード大学、プリンストン大学に留学、さらに米議会の奨学生として留学して議員の政策担当秘書を経験したという。

 1967(昭和42)年、30歳で退社して、東海大学広報科助教授。72(昭和47)年に独協大に移り、70歳定年まで教授を務めた(行動科学論、マーケティング論)。指導したゼミの学生は34年間で500人にのぼる。

 記者から大学教授へ。政治部の先輩・諏訪正人さん(2015年没84歳)は「ジャーナリズムとアカデミズムの幸運な握手」と、大久保さんを称えた。

 「ロイヤルハウス石岡」の完成は、1988(昭和63)年。米留学中に見た老人ホームは、日本の「養老院」とは全く違っていた。高齢者が優雅に暮らせる老人ホームは、大久保さんの夢の実現であった。テレビドラマの「やすらぎの郷」に似ている。

 入る際には相応のお金が必要だが、あとは悠々とした生活が楽しめるし、終身介護も受けられるのである。

 もうひとつ、大久保さんは、自身の米留学が返却しないでよいアメリカの奨学金を受けたことから、一般社団法人「ロイヤル福祉助成法人」をつくり、2016(平成28)年から返さなくてよい、もらいっぱなしの奨学制度を創設、とりあえず大学生5人に計400万円、ことしは7人に計500万円を寄付している。若者の将来に期待してのことだ。

 目指すは日本一の老人ホームと、大久保さんは夢を語っている。

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大久保貞義さん

(堤 哲)