新刊紹介

2026年2月3日

科学記者横山裕道著『宇宙・生命が嘆く地球沸騰』

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 69年入社横山裕道さん(81歳)のFacebookから——。

 新著『宇宙・生命が嘆く地球沸騰~安全で平和な世界は夢なのか』(紫峰出版)が刊行されました。我々に身近な宇宙や生命の視点から気候危機(地球沸騰)をとらえたものです。

 簡単に言うと、気候危機は人類だけでなく、宇宙や生命にとっても大変な脅威だという趣旨の本で、トランプの再登場など国際情勢にも気を配っています。

 新著紹介のアマゾンのサイトは以下のURLです。

 https://www.amazon.co.jp/dp/4907625766

 宇宙と生命に関してはできるだけ多くの科学者を登場させ、エピソードや科学者の人間模様を織り交ぜて興味深い内容にすることを心掛けました。

 例えば第1章に登場の著名な天文学者カール・セーガンと第2章の最初を飾った生物学者リン・マーギュリスは夫婦だったが、夫が家庭で妻を手伝うことはなく、忍耐が限界に達したマーギュリスは子どもを連れてセーガンの元を去ったことなどを書きました。

 定価:2,640円(税込み)

 紫峰出版のHPには——。

 古代から人々は「なぜ宇宙は存在するのか」「生命はどう誕生したのか」などと宇宙や生命にさまざまな問いかけをし、その魅力にとりつかれてきた。人類は宇宙や生命のさまざまな謎解きに懸命に努力し、それが知的生命の人間が成し遂げた最大の成果だという見方もある。それでも宇宙の暗黒物質、暗黒エネルギーの正体は何か、などいまだに残された謎は少なくない。

 そんな中で我々は自らの身勝手さから未曽有の気候危機を招き、このままいけば気候の崩壊、地球の沸騰によって人類滅亡の可能性すらある。一方で世界では戦争・紛争が絶えず、核戦争の脅威も存在する。新たな感染症によるパンデミックが心配だし、巨大隕石落下など宇宙由来の大災害が襲う可能性もある。そして米国では民主主義に背を向け、「自国第一主義」を唱えるトランプ氏が大統領として再登場し、国内外の分断を招いている。

 まさに世界は激動し、地球文明は継続できるかどうかの瀬戸際にあると考えられる。もし気候崩壊や核戦争などによって人類や多くの生命の絶滅につながれば、かけがえのない宇宙や生命に思いを寄せ、その謎を解き明かそうとする主体はなくなってしまう。何とも残念でもったいない話である。

 科学・環境ジャーナリストとしてのそうした思いから、宇宙・生命のファンタジーと気候危機(地球沸騰)をはじめ人類に迫り来る危機を浮き彫りにしようと考えた。宇宙や生命の謎を解く人間の偉大さと同時に、気候危機や戦争・紛争を起こす愚かさ、感染症などを克服できない限界についても率直に述べた。「安全で平和な世界は夢なのか」という考察も行った。さらに、成功すれば世の中がひっくり返るような騒ぎになる地球外知的生命探査(SETI)にスポットを当て、もし宇宙人が存在するならば自らの気候危機問題をどう克服したのか、についても想像を巡らせた。

 全体として宇宙、生命の魅力、不思議さ、素晴らしさを引き出すとともに、深いつながりがある宇宙、生命、人類が織り成すナラティブ(物語)になっていると思う。現在の気候危機の単なる記述ではなく、宇宙、生命に思いを寄せながら気候危機の深刻さを浮き彫りにした点で、他に類例のない内容になったのではないか。

 横山さんは、1944年仙台市生まれ。東京大学理学部卒。同大学院理学系研究科修士課程修了。69年毎日新聞社入社。科学環境部長兼論説委員などを歴任し、2003年淑徳大学国際コミュニケーション学部教授。