新刊紹介

2025年7月17日

「毎日戦中写真」プロジェクトから2冊同時出版

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 毎日新聞社特派員が戦時中に撮影した写真6万枚をデジタルアーカイブ化する「毎日戦中写真」プロジェクトから、本が2冊出版されました。どちらも2022年から東大・京大と進めてきた共同研究の成果です。7月27日(日)には横浜のニュースパーク(日本新聞博物館)で動物写真家の岩合光昭さんを招いた出版記念イベントも開かれます。

 『戦中写真が伝える 動物たちがみた戦争』(光文社新書)は、毎日戦中写真から動物が写った写真を選び、東京大学大学院の渡邉英徳教授がカラー化しました。

 毎日戦中写真には、軍馬や軍犬、軍鳩、ラクダ、ゾウなど、動物たちが写った写真が約900枚あります。彼らは移動、建設、警備、通信、癒やしなど、さまざまな役割を負っていました。

 出版にあたり渡邉教授が最新のAI技術を用いながら歴史資料と専門家との検証を重ねて色を補正し、可能な限り史実に沿ったカラー化を施しました。貴志俊彦教授(京都大学名誉教授、ノートルダム清心女子大学教授)により、動物たちが戦争に駆り出された背景が解説されています。

 光文社新書288㌻、定価:1,500円+税、ISBN:978-4334106942
 販売ページ(Amazon): https://www.amazon.co.jp/dp/4334106943

 『戦争特派員は見た 知られざる日本軍の現実』(講談社現代新書)は、毎日戦中写真を撮影した特派員の足跡を追うことにより、戦争の実相に迫った1冊です。

 毎日新聞社は日中・太平洋戦争中に450人余の特派員を海外に送りました。本社に届いた戦中写真は、敗戦前後の軍による廃棄命令やGHQの接収から免れたもので、特派員らの姿が写った写真が約400枚あります。そうした写真と資料に基づき、ひとりひとり仕事と人生を追いました。

 貴志俊彦教授は、2024年4月から毎日新聞都内版などで「戦中写真を読む」を連載してきました。本書は、戦争報道や検閲の記録などについて、さらに踏み込んだ書き下ろしとなりました。

 講談社現代新書224㌻、定価:920円+税、ISBN:978-4065403808
 販売ページ(Amazon): https://amzn.asia/d/35fL5fJ

 『動物たちがみた戦争』刊行記念イベント「岩合光昭さんの語る『動物と平和』」を下記のとおり開催します。岩合光昭さんの父・岩合徳光氏(故人)は、毎日新聞写真部OBでもあります。

日時:2025年7月27日(日)13:00~15:00(開場12:30)

場所:ニュースパーク(日本新聞博物館)2階イベントルーム、企画展示室

プログラム:12:30 受付開始

13:00 光文社新書『動物たちがみた戦争』トークセッション
渡邉 英徳(東京大学 大学院情報学環 教授)
貴志 俊彦(ノートルダム清心女子大学 教授/京都大学 名誉教授)
中島みゆき(毎日新聞記者/東京大学 大学院情報学環 客員研究員)
高橋 恒星(光文社)オンライン参加

13:45 休憩(AI・VRコンテンツ体験・書籍販売)

14:00 岩合光昭さん講演「『平和』は幸せの土台 ネコもライオンもクジラもヒトも。」

15:00 イベント終了
AI・VRコンテンツ体験・書籍販売・サイン会(16:00まで)

参加費:無料(大人は博物館入館料400円が必要です)

定員:120人

主催:東京大学大学院情報学環・渡邉英徳研究室、毎日新聞社、光文社

申し込み:https://animals-in-war.peatix.com/

(中島 みゆき)