新刊紹介

2020年4月29日

続『プリンストン大学で文学/政治を語る バルガス=リョサ特別講義』

 同志社大学グローバル地域学部准教授・立林良一さんが翻訳した『プリンストン大学で文学/政治を語る バルガス=リョサ特別講義』を新刊紹介(2020年2月9日)で掲載した。

 立林さんからお礼の手紙が届いた。朝日新聞に掲載された作家いとうせいこう氏の書評と、「折々のことば」にバルガス=リョサの言葉が紹介されたとコピーが同封してあった。

 いとうせいこう氏は《「民主主義は不完全な仕組みですが(略)最も人間的なもの」「社会が権力の濫用に対して持つ唯一の防御手段は表現の自由です」といった言葉が実に重い》と書いている(2020年1月18日付)。

 毎日新聞の現役でもOBでもない立林さんの訳本を紹介したのは、立林さんが元くり読(Teen's Spaceをう たった週刊紙「くりくり」の読者)だったからだ(詳細は2月9日欄)。

 手紙にこうあった。《大学(東京外語大学スペイン語科)で岩波文庫の『ドン・キホーテ』の翻訳を手掛けられた牛島信明先生という方に出会ったことでスペイン語圏(特にラテンアメリカ)の文学に興味を持ち、大学院に進学してスペイン語教師を目指すことになりました。最初の6年間を福岡大学で過した後、同志社に転任してまる28年になります》

 《7年前にグローバル地域文化学部が設立され、そこに移籍して今は学部生向けのラテンアメリカの文化や社会についての講義や新入生ゼミも担当しております》

 そして最後に《同志社でも今学期は教室での授業を一切行わないことになったため、今はゴールデンウィーク明けに本格的に始まるオンライン授業の準備に追われています。この年齢になって(注・1959年生まれだから、ことし61歳)今風なハイテク対応を迫られることになろうとは、まったく想定外でした》。

 マリオ・バルガス=リョサ氏は、2010年のノーベル文学賞受賞者。ペルー生まれの83歳。フジモリ大統領が当選した大統領選に出馬して敗れている。

 定価3,300円(税込み)河出書房新社刊

(堤  哲)