トピックス

2024年2月19日

英国在住、元外信部、阿部菜穂子さんの新著を北海道新聞がポーランド発で紹介

 北海道新聞が2月18日付で、私の新著についてロンドン発の記事を掲載してくれました。新著は’The Martyr and the Red Kimono(殉教者と赤いマリア像)'のタイトルで4月にペンギンランドムハウスから英語で出版されます。

 本は大戦中にアウシュビッツで他の収容者の身代りとなって殺害されたポーランド人のマキシミリアン・コルベ神父と、神父に深い影響を受けた長崎の被爆者、小崎登明さん、北海道の桜守、浅利政俊さんの物語です。戦争を起こす人間の悪との闘い、戦争の悔恨、償い、和解、といったことがテーマです。争いの絶えない現在の世界で、3人の生き様を通して平和への願いを込めました。日本語版出版は25年以降になる予定。

(阿部 菜穂子=フェイスブック転載)

《北海道新聞記事=WEB公開分》

ポーランド国境に咲く道産桜 平和願い、七飯の92歳浅利さんが35年前に寄贈<ウクライナ侵攻2年>

 ロシアによるウクライナ侵攻開始後、ウクライナから避難民が押し寄せた隣国ポーランド南東部のプシェミシル。その近郊にある修道院で、道産サクラが今年も開花の春を待つ。約35年前、平和の願いを込めて渡島管内七飯町の浅利政俊さん(92)が寄贈したサクラの一部だ。長く消息不明だったが、今も残る3本を、英国在住のジャーナリスト阿部菜穂子さんが探し当て、単行本にまとめて4月に英国で出版する。浅利さんが影響を受けたというアウシュビッツ強制収容所で亡くなった神父の歩みなども交え、反戦と平和を訴えている。(ロンドン駐在 内本智子)

ストラホチナの修道院で満開の花を咲かせる松前桜の紅豊=2023年4月(聖母の騎士修道女会提供)

■「特別な木」、修道院に
 プシェミシルから西へ直線距離で約50キロ、人口約千人の小さな村ストラホチナを訪ねた。バイデン米大統領が陸路ウクライナに電撃訪問した際にも起点としたジェシュフ空港から車で1時間半ほど。聖母の騎士修道女会(本部・長崎県)の修道院の教会正面に、高さ4~5メートルほどに育った松前桜の紅豊(べにゆたか)が堂々とたたずんでいた。

(堤  哲)