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2023年8月2日

元写真部の松村明さんが「立ち上がる光」出版記念の写真展を四谷で

松村明さん(76歳)

松村明写真選集「立ち上がる光」(アルファ企画)

 「立ち上がる光」松村明写真選集展が8月10日からポートレートギャラリー(JR四ツ谷駅四ツ谷口から徒歩3分ほど、日本写真会館5階)で開催される。16日午後3時まで。入場無料。

 松村明さんは、日大芸術学部で写真を学ぶ傍ら写真家長野重一(故人)に師事。1969年卒業と同時に入社、写真記者となった。退職後は九州造形短大(現九州産業大造形短期大学部)で教べんを執り、現在は福岡市で写真塾を主宰している。

 夫人が被爆2世だったことから長崎を撮り続け、被爆者たちのポートレート「閃光の記憶―被爆75年」(長崎文献社)を2021年に出版した際も、同ギャラリーで写真展を開いている。

 「立ち上がる光」出版は、東京を拠点に建築家やデザイナーとして活躍する矢萩喜從郎さん(71)が編集、250点ほどが収められている。

 全8章で構成。写真展ではその一部を展示するが、松村さんのメッセージ——。

 第1章「長崎」の被爆者の顔は、当事者でしか表し得ない深淵を垣間見、「長崎の破片」は未来永劫へと続く哀しみを抱く。「影響力を持つ人」は、人それぞれしか発せられない、眼光も含めた雰囲気を捉えることを試みた。「N.Y.」は、当然抱く筈の活気が剥奪され、鎮魂の場にもなり得る街。「暦の眺望」「東京」「福岡」では、視る人が歴史と対峙しながら、自在に自分の世界へと誘う。「卒業制作」は私の写真第一歩だが、今もその視座に通底するものがあると思う。

 会場のポートレートギャラリー(新宿区四谷1-7-12日本写真会館5階03-3351-3002)は、JR四ツ谷駅四ツ谷口から外濠通りの信号を渡り、コモレ四谷(31階建て)を右手に見て、三栄通りを挟んで向かい側だ。

(堤  哲)