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2023年5月11日

広島サミットを機に、「被爆地の思いを伝えて」とモーリー・ロバートソンさん

 ——父は米国人の医師で、母は日本人のジャーナリストでした。5歳の時、米国から広島に移り住みました。原爆の人体への影響を研究するため米国が1947年、広島市に開設した「原爆傷害調査委員会」(ABCC)で、父が勤務することになったからです。

 小学生の頃、放課後にABCCのロビーで、父の仕事が終わるのを待つ間、読みふけったのが、原爆の惨劇を描いた漫画「はだしのゲン」でした。近所の駄菓子屋のおじさんから原爆の話を聞いたり、家に届く新聞で被爆者が描いた生々しい絵を何度も見たり。被爆地で起きたことを知るうちに、中学生の頃には、世界中の人が広島に来て平和について考えるべきだと思うようになっていました。

 読売新聞社会面で11日朝刊から始まった「広島サミットに望む」第1回。国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンさん(60歳)の訴えである。

 見出しは「被爆地の思いを伝えて」。

 母親ロバートソン黎子(旧姓蒲田)さんは元毎日新聞記者。晩年は夫トーマスさんとともに米国で生活、ワシントンのナショナルプレスクラブの会員となって、ジャーナリストとして活動していた。トーマスさんは2017年没83歳、黎子さんも2020年、88歳で亡くなった。

(堤  哲)

(2003年撮影)
(2009年撮影)
 
トーマス・ロバートソン、黎子夫妻