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2023年5月2日

写真の「江成常夫賞」にびっくり、感激ー横浜支局同人だった倉嶋康さんのFB転載

 晴れた皐月の風に誘われて、京王線の終点とJR横浜線が交わる相模原市の橋本に行ってきました。ここはリニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)が出来る場所で、新駅建設と周辺整備の大掛かりな工事が進んでいます。

 品川-名古屋間を40分で結ぶリニアは、静岡県知事の強硬な反対で工事が立ち往生しているそうです。相模原に住む私は「都心までわずかひと駅で行けるのに」と自分勝手なことを考えていますが、地域エゴは横に置いて、駅前は連休で大変な人出でした。

 人だかりしている掲示板をのぞいてびっくり。相模原は全国の自治体でも珍しい写真文化のイベントを20年余続けていることで有名です。プロ、アマそれぞれの部に優秀賞などを出すほか、アジア賞には中国、台湾、韓国、インド等14ヵ国の写真家が受賞しています。そこに今度は「江成常夫賞」も作られたという紹介ポスターでした。

 江成さんは相模原市田名に住むプロの写真家で、土門拳賞と木村伊兵衛賞を受けた超ベテラン。社会的な作品が多く、写真集も数多く出しています。自分の作品をそっくり市に寄贈したことでも有名。その名を冠した賞が出来て当たり前です。

 でもそんなことよりも、私にとりましては60年近く昔に、毎日新聞横浜支局で机を並べて一緒に仕事をした仲なのです。2人組んで海に出て、沖仲士、海上保安官、シップチャンドラー、釣り船などを取材して「港に生きる」という連載もやりました。「ペンの倉嶋、カメラの江成」と言われた時もあったのです。懐かしいな、江成君、おめでとう。

(倉嶋 康)

 江成常夫さんは1936年相模原市生まれ。1962年、東京経済大学を卒業し毎日新聞入社。74年に退社しフリーに。アメリカに住む日本人の戦争花嫁や中国残留孤児、旧満洲国、原爆など主に日本の負の遺産を撮った写真で知られる。

「フォトシティさがみはら」、節目に「江成常夫賞」を創設(神奈川新聞 2020年6月22日)

 写真文化を広く発信しようと、2001年に始まった相模原市の総合写真祭「フォトシティさがみはら」が今秋で20回目を迎える。節目を記念し、事業の創案者で市内在住の写真家江成常夫さんの名を冠した「江成常夫賞」を創設する。

 フォトシティさがみはらは、日本を含むアジア地域で作家活動をしているプロ写真家と全国のアマチュア写真家による写真展を開催。シンポジウム、親子写真教室など、さまざまな参加型のイベントが市内各所で開かれてきた。

 こうした活動が写真文化の振興に寄与したとして、06年には「日本写真協会賞・文化振興賞」を受賞、11年には「日本写真家協会賞」を受賞している。

 新たに創設される江成常夫賞は今年を含めた20年間で、プロの部で受賞した80人から最も優秀な写真家に贈られる。その後は5年ごとに設けられ、5年間で最も優秀な写真家を選ぶ。