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2023年4月6日

森林認証って? 「日本林政ジャーナリストの会」滑志田隆会長

質問する滑志田隆会長(左)とマイケル・バーガーPEFC本部事務局長/CEO

 「ヨーロッパ各国は80%、アメリカ15%、日本は10%です。森林認証の意味は何でしょうか」。

 「日本林政ジャーナリストの会」会長の滑志田隆さん(71歳)=社会部OB=が、世界最大の森林認証制度PEFCの本部事務局長/CEOマイケル・バーガー氏に質問した。

 森林認証制度とは、適正に管理された森林から切り出された木材などに認証マークを発行し、持続可能な森林の利活用・保護を図る制度のことで、「森林・林業白書」(令和3年)によると、日本の森林面積2,494万haのうち認証面積は252万haである。

 滑志田会長から「タマにはこんな勉強もしてみたら」と誘われて、講演会をのぞいたが、話がまったく分からない。???だった。

 「日本林政ジャーナリストの会」の案内には《グローバル経済化の進展と共に、外貨の稼ぎ出しに狂奔するアジア諸国にとって、原材料としての木材資源は重要な輸出品目です。これに伴い、無秩序な森林開発が国土や生態系の保全を脅かしている実態も否定できません。1992年地球サミットの「森林原則声明」の趣旨を反映した「国際森林認証制度」の意味が問われるところです》とあった。

 改めて「森林・林業白書」から。《2020年の世界の森林面積は約41億haで、陸地面積の31%を占める。森林面積は、アフリカ、南米等の熱帯林を中心に減り続け、森林減少面積は2010年から10年間の年平均で470万ha、新規植林等による増加を考慮しなければ年平均1,020万ha》にのぼるのだ。

 国連では、1992年の「国連環境開発会議」(地球サミット)で「森林原則声明」を採択、2015年9月の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、SDGs(持続可能な開発目標)が示された。

 「持続可能な森林の経営」。森林認証は、そこから生まれた。認証制度の第三者機関は①FSC(Forest Stewardship Council森林管理協議会、1993年設立)②PEFC(Pan European Forest Certification森林認証プログラム、1999年設立)③SGEC(一般社団法人「緑の循環認証会議」、2003年設立、日本独自の認証制度)があり、PEFCの認証面積が世界最大だ。

 滑志田さんは、リオ・デ・ジャネイロで開催された92年地球サミットを現地で取材している。『地球温暖化問題と森林行政の転換』(2007年刊)の著書もある。

 俳人でもあり、小説家でもある。サツ回り時代に遭遇した旧ソ連領空で起きた大韓航空機撃墜事件(1983年9月1日発生)をテーマにした小説『埋もれた波濤』(2018年刊)、『道祖神の口笛』(2021年刊、いずれも論創社)を上梓している。

 《ゆうLUCKペン第45号掲載の「落ち椿余録」も、小説化、5月に「論創社」から二千部ほど出してくれることになりました》と滑志田さん。

(堤  哲)