集まりました

2022年12月12日

『目撃者たちの記憶1964~2021』出版記念パーティーに丸山会長も

後列左から潮田正三、平田明浩、山下浩一、岩下幸一郎、石井諭、橋口正、手塚幸一郎
前列左から関眞砂子、堤哲、河野俊史、丸山昌宏、佐藤泰則、木村滋、伊藤俊文=敬称略

 東京本社写真部OB会編著『目撃者たちの記憶1964~2021』の出版記念パーティーが12月6日内幸町のプレスセンター10Fレストラン「アラスカ」で開かれた。

 版元大空出版主催で、コロナ禍を吹き飛ばす久しぶりの立食パーティー。まず大空出版の加藤玄一社長(61歳)が「最初は、毎日新聞創刊150年を記念する出版物をウチからでよいの?でした。膨大な原稿を読み進めているうちに、大変な記録であることが分かり、気合が入りました。お蔭さまで好評です」という趣旨の挨拶をした。

 写真部長も務めた丸山昌宏会長(日本新聞協会会長)。「赤字になる本は出版するな、と言っているもので」と苦笑いしながら、「毎日新聞はことし7年連続で新聞協会賞を受賞していますが、そのうち5回は写真報道なのです。昨年は新型コロナで宇宙服みたいな格好をした『防護服越しの再会』、ことしは安倍晋三元首相が銃撃された直後をスマホで写した写真でした」と、写真報道の重要性を話した。

 続いてこの本の巻頭に寄稿文を寄せた佐高信さん。「1965年に岸井成格と慶應義塾大学で同じゼミに入って以来、岸井=毎日新聞と縁ができました。秋田出身なので、酒田市で開かれた土門拳展で江成常夫さん(写真部OB)とパネルディスカッションしたことを書きました。この本は、岸井と共に生きた同時代史で感慨深い」と話した。

 元東京本社編集局長、前スポニチ社長河野俊史さん。2011年の東北大震災で毎日新聞のヘリが遭難しそうになったこと、そのヘリに乗っていた手塚耕一郎カメラマン(このパーティーに出席)の写真が新聞協会賞を受賞したことに触れて、「子どもの時からカメラをいじっていて、新聞社を辞めてから望遠レンズを買って星空の写真を撮っています。作品は毎日フォトバンクにも登録していています」と述べた。

 乾杯の音頭は、僭越ながら元写真部長の私(堤)。森浩一元東京本社編集局長・スポニチ社長から届いた読後感の手紙を読み上げた。「日航ジャンボ機墜落。現場不明。あのあたりの現場を求めてクマザサが密集する藪をこいで登る。飲まず食わずが続く。…苦難の現場のギリギリのところで、撮ることとヒューマニティーの葛藤」

 参加60人ほど。日本カメラ博物館調査研究部長の白山眞理さん、日本写真家協会の松本徳彦副会長、写真・動画素材販売の最大手「アフロ」の青木紘二社長や、ニコン・キャノン両社からも。毎日新聞からは、現役の石井諭写真部長(正式には「写真映像報道センター写真映像報道部長」)やOBら。

 最後に、この本の企画・編集・販売まで一切を仕切った元写真部長の佐藤泰則さんがお礼の言葉を述べた。司会は写真部OB潮田正三さんが務めた。

 大空出版の加藤社長夫人は元学生新聞の関眞砂子さん。会場ではもっぱらカメラマン役だったが、この「集まりました」の写真に入ってもらった。

(堤  哲)